ツールバーの工具アイコンをクリックすることで設定ダイアログを開きます。さらに、左列から「センサー」を選択すると、センサーに関する設定ペインが開きます。
地磁気センサーキャリブレーションのまえに
キャリブレーションとは、センサー出力を「校正」することです。STELLARWINDOW付属センサーは地磁気センサー・加速度センサーから成り立っており、それぞれのセンサーをキャリブレーションすることで、正しい状態にすることができます。
以下のような場合に地磁気センサーキャリブレーションを行うことが推奨されます。
- 長期間STELLARWINDOWを使っていなかったとき
- テレビ、冷蔵庫やオーディオセットなど磁気源が近くにある室内で利用するとき
- 磁気を帯びた機器に取り付けて使うとき
- その他、実際に使ってみて、方位角が周期的にズレていると感じるとき
地磁気センサーキャリブレーションとはどのような意味を持っているのか、理論的背景については本項目末尾をご覧下さい。
地磁気センサーキャリブレーションは、実際の利用時の周辺磁気環境で実行することが推奨されます。センサーを双眼鏡等に取り付けた場合、双眼鏡等に取り付けた状態で以下のキャリブレーション操作を行ってください。
また、キャリブレーション操作は、慣れるまではうまくいかないことがあります。キャリブレーションを行ったはずなのにセンサー出力が改善されていないと感じたときは、再度キャリブレーション操作を行ってみてください。
地磁気センサーキャリブレーションには、方位磁針など、その環境での磁北がわかる装置が別途必要です。
地磁気センサーキャリブレーションの実行
地磁気センサーキャリブレーションを行うには、センサー設定画面の「センサーキャリブレーション」欄から「磁気」ボタンをクリックします。

地磁気センサーキャリブレーションの開始
「磁気」ボタンをクリックします。
キャリブレーション開始確認画面が表示されます。キャリブレーション操作は開始すると途中で取り消すことができません。もし間違ってボタンを押してしまった場合は、この画面でキャンセルしてください。 キャリブレーションを開始する場合は「続ける」ボタンをクリックしてください。

地磁気センサーキャリブレーションの開始確認
取り消す場合は「キャンセル」ボタンをクリックします。
以下の画面のように、最初の回転操作が指示されます。

地磁気センサーキャリブレーション 最初の回転操作指示画面
最初の回転操作の指示画面。回転の仕方については下図も参照して下さい。

地磁気センサーキャリブレーション 最初の回転操作の解説図
最初の回転操作では、図のようにセンサー側面をだいたい北に向けて、青色矢印のように回転させてください。回転方向は逆の緑色矢印方向でも構いません。一定方向にだけ回転させているとケーブルがねじれたり、手元が狂ったりするので、適宜逆回転させる方が簡単です。
最初の回転操作では、上図のように、方位磁針などを使って、センサー側面をだいたい北(磁北)に向けて、青/緑色矢印のように回転させてください。10回程度の回転を行うことが推奨されます。取り付け装置などの影響で、回転操作を行うことが困難である場合でも、最低2回は回転操作を行ってください。
片方向のみに回転させているとケーブルが捩れたり、手元が狂ったりしがちなので、適宜、逆回転させた方が簡単に規定回転数をクリアできます。
回転操作を終えたら、「次へ」ボタンをクリックして、次の画面に進みます。次の画面に進むと、次の回転が指示されます。

地磁気センサーキャリブレーション 次の回転操作指示画面
次の回転操作の指示画面。回転の仕方については下図も参照してください。

地磁気センサーキャリブレーション 次の回転操作の解説図
次の回転操作では、図のようにセンサー先端面をだいたい北に向けて、青色矢印のように回転させてください。回転方向は逆の緑色矢印方向でも構いません。一定方向にだけ回転させているとケーブルがねじれたりするので、適宜逆回転させる方が簡単です。
次の回転操作では、上図のように、方位磁針などを使って、センサー先端面をだいたい北(磁北)に向けて、青/緑色矢印のように回転させてください。10回程度の回転を行うことが推奨されます。取り付け装置などの影響で、回転操作を行うことが困難である場合でも、最低2回は回転操作を行ってください。
片方向のみに回転させているとケーブルが捩れたり、手元が狂ったりしがちなので、適宜、逆回転させた方が簡単に規定回転数をクリアできます。
ケーブルを巻き込むような回転であるため、回転しにくいですが、ケーブルとセンサーの接続部分を持つと比較的回転させやすいようです。
回転操作を終えたら、「次へ」ボタンをクリックして、結果を確定します。

地磁気センサーキャリブレーション 結果の確定
結果の確定画面。キャリブレーション結果は再起動後から有効です。
キャリブレーション結果は、STELLARWINDOWの再起動後から有効です。「終了」ボタンをクリックしてSTELLARWINDOWを終了するか、「設定画面に戻る」をクリックして、設定画面にお戻り下さい。
キャリブレーション操作を行った後は、センサー再接続を行うことはできません。設定画面に戻り、その後継続的にSTELLARWINDOWを利用することはできません。
以上で、地磁気センサーキャリブレーションの全操作が終了となります。
身の回りには、テレビやスピーカーをはじめ、たくさんの磁気源があります。また、付属センサーを鉄やニッケルなど磁気を帯びやすい材料に取り付けて利用することもあるでしょう。この項目では、キャリブレーションの理論的背景として、周辺磁気源が地磁気センサーにどのように影響するのかを、ごく簡単に解説します。本項目の内容は、STELLARWINDOW付属センサーだけでなく、地磁気センサー一般に有効な情報を多く含んでいます。
まず、下の模式図をご覧下さい。

地磁気センサー出力の模式図
地磁気センサーのX軸・Y軸出力を水平面上に投影した模式図。 Z軸については簡単の為省略しています。角αは、センサー出力方位角。角βは真の方位角を表し、
左図・右図はそれぞれ:
左: 地磁気以外の磁気源の影響を受けていない場合
右: 周辺磁気源の影響を受けている場合
左図は、周辺磁気源の影響を全く受けていない理想的な状態*1での、地磁気センサーの出力値を示しています。地磁気センサーには、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の3つの軸がありますが、この模式図では簡単のために、水平面上のX軸、Y軸についてのみ記載し、Z軸を省略しています*2。 図中赤線がセンサーの向いている方位であり、角αがセンサー出力方位角、角βが真の方位角を表しています。ここでは、α=βですので、センサー出力方位角は正しいということになります。
右図は、周辺磁気源Mの影響を受けている状態での、地磁気センサーの出力値を示しています。センサーの近くにスピーカーなどがある状態をごく単純にモデル化したものと考えてください。
周辺磁気源の影響を受けた結果、センサー出力円の中心O'が第一象限内部に大きく移動してしまい、その結果、センサー出力方位角αと、真の方位角βが大きく異なってしまっています。 このズレについて、0度<β<180度の範囲で、αとβをグラフ化したものが、下のグラフです。

周辺磁界影響下におけるセンサー出力角度のズレ
上模式図右の場合のα角、β角の変化をグラフ化したもの。周辺磁気影響下において、真の角度とセンサー出力角度が周期的にズレていることがわかります。実際は、上模式図で省略したセンサー姿勢の影響(すなわちZ軸の出力値の影響)があるため、出力値はグラフとは異なります。
真の方位角βに対して、センサー出力方位角αが周期的にズレていることがわかります。ここではZ軸を省略しているため、実際はこのグラフとピッタリ同じというわけではありませんが、Z軸を含めて考えても、このグラフのようなズレの周期性は残ります。
このグラフでは、方位角約63度において、真の方位角と、センサー出力方位角が「偶然」一致しています。ズレは周期性を持つため、周辺磁気源の影響を大きく受けている場合でも、このように、特定の角度については「偶然」正しいということが起こりえます。この点はご留意ください。つまり、正しくキャリブレーションされたかどうかを判断する際に、ひとつの向きだけで判断することはできず、一定範囲全域で正しいことを確認する必要があるということです。逆に言えば、もし、センサー使用時に、方位角のズレに周期性があるな、と感じた場合は、キャリブレーションが必要である、ということが言えます。
地磁気センサーキャリブレーションで何をしているのか?
地磁気センサーキャリブレーションでは、特定の方向を北に向けて、特定の軸を中心にして複数回回転させる操作を行っています。回転を行っている間に、センサーは、各軸出力値の最大値と最小値を取得しています。回転操作終了後、各軸の最大値と最小値の中央値を使って、
下図のように、点O'の座標を求めます。この点O'の座標が、キャリブレーション補正値として記憶されます。
以後は、点O'→点Oの平行移動により、センサー出力方位角と真の方位角が一致します。

地磁気キャリブレーションの動作
各軸出力値の最大値と最小値を取得することで、点O'の座標を求め、出力値を補正する
回転操作時に、「だいたい北に向けてください」と指示し、厳密に北に向けることを要求していないのは、回転中の最大値と最小値を取るだけでよいからです。10回以上の回転を指示しているのは、回転数が多いほうが、真の最大値と最小値を取得できる可能性が高まるからです。逆に言えば、センサーを厳密に北に向けることができる場合、回転数は最低2回*3でも問題ありません。
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*1 周辺磁気源以外の要素
地磁気センサーは、厳密には、近傍に透磁率の高い材料(パーマロイなど)があると、その影響を受けます。しかしながら、STELLARWINDOWを普通に利用する上で周辺環境の透磁率が影響することはないと思われますので、ここでは省略します。
ちなみに、高透磁性材料が近傍に存在する場合、左模式図上の出力円は「楕円」状になります。本センサーには、楕円状の出力を円に戻すアルゴリズムは搭載されていませんが、キャリブレーションによって、もっとも誤差が少ない状態まで自動的に補正されます。
*2 Z軸の省略について
XY平面上で解説していますが、これは、Z軸出力値がゼロの場合、つまり水平に対して地磁気伏角分回転した平面上、と考えても差し支えありません。
*3 最低回転数が1回でない理由
本来は1回でも構わないのですが、測定誤差の影響を小さくする統計処理上、最低2回の回転が必要となります。これは、STELLARWINDOWの独自仕様となります。
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